北海道・知床半島沖で4月23日から消息を絶っている観光船について、海上保安庁は24日、事実上「沈没した」との見方を示しました。
約2カ月前に陸揚げされた「KAZU I」を道内の観光客が撮影した写真には、船首部分に亀裂のようなものが写っていたことが分かっており「人災では?」と話題になっています。
今回は「知床観光船事故は人災?!船長はSNSでブラック企業と投稿か」についてまとめてみました。
目次
知床観光船事故は人災?!
2月に撮影された写真には船首の亀裂が写っていたことが明かに
事故を起こした観光船は実は昨年も座礁事故を起こしていたことが分かっています。
運行会社の男性は「去年、2回ぐらい座礁事故を起こしている。自分が見た限り、船の前側の方が割れていた。
そこが大きく亀裂入って水が入った可能性がある」とテレ朝newsに話していた。
引用:HUFFPOST
稚内市在住の「しろまる最北日記」(@Asuka_Shiromaru)さんは、2月に観光で斜里町を訪れた際に、流氷を避けるためにウトロ漁港に陸揚げされた「KAZU I」を撮影。その写真を24日にTwitterに投稿しています。
この写真を見ると、船首に描かれた「KAZU I」のロゴの右側に、亀裂のようなものが走っていることが分かります。
「しろまる最北日記」さんは以前、知床の別の観光船運行会社でアルバイトしていたといい、行方不明になった船について、「他社よりも屋根のあるキャビン内の席が多いので、多少天気が悪くても、他の会社を差し置いて出港しがち」だったと記しています。
普段から他社では出航しない場合でも無理に出航していたようです。
地元の漁師からは「悪天候の中、なぜ船を出したのか?」と疑問の声が。
地元の漁師によりますと、23日は午前7時ごろは波は穏やかでしたが、午前10時以降は天気が荒れるという情報があったため、漁船は午前中で港に引き返していました。
漁師の間では「悪天候の中、なぜ船を出したのか?」と疑問の声が上がっています。
また、地元の別の観光船の乗組員は、23日の海の状況を見て、「KAZU I」の船長に対し「行くな」と止めたものの、船長はそのまま船を出したことを明らかにしています。
地元の人間が止めるような天候であったことが分かります。
このような事態に世間の声は?
北海道知床半島遊覧船浸水の乗客の安否は?「海水に浸らず体温維持して」KAZUⅠ(カズワン)
観光船の人達大丈夫かな?
この日は強風で漁船は午前中に引き上げたらしいのに、どうして決行したの?知床沖の陸についてもヒグマの生息地、泳いで陸に着いても怖いhttps://t.co/1N9O158SLW— k (@GOGOppm) April 23, 2022
4月23日午後1時15分ころ知床半島の西側沖合を航行していた知床遊覧船所有の観光船「KAZUI」(カズワン)から「浸水している」などと第一管区海上保安本部に救助要請があったもの。(海難事故)
航行は無謀と言わざるを得ない。 pic.twitter.com/1o8IksRsif
— タケ (@76mhrgk) April 24, 2022
航行は無謀だったのではとの声も多く聞かれます。
このような状況を考えると「人災」とも取れる事故であると言われても仕方ありません。
知床観光船事故、船長はSNSでブラック企業と投稿か
他の観光船が欠航する中、地元の漁師の助言を無視し航行した船長には一体どんな事情があったのでしょうか。
気になる情報のひとつに船長とみられる豊田徳幸さんのFacebookの投稿が話題になっています。
人相が変わったことを知人に指摘されると、現在の仕事がブラック企業であることを明かしています。
気になるのが、KAZU1(カズワン)の運営会社「(有)知床遊覧船」の経営体制です。
もしかすると船長も被害者の一人だったのではないでしょうか。
また、このような事故になってもなお運航会社は会見を開かず、乗客者を公表していないことにも批判の声が集まっています。
第1管区海上保安本部によると乗組員の船長が豊田徳幸さん(54)、甲板員が曽山聖さん(27)だったことを明らかにしたが、疑問を感じざるを得ないのは、なぜ、観光船の運航会社が会見を開き、詳細を明らかにしないのか、ということ。
会社として責任を感じているのであれば、まずは乗船客名簿を公表した上で、漁船すら船を出すことをためらうような状況下であえて出航に至った当時の海の状況をどう考えていたのかを説明するべきでしょう。
そしてなぜ、もっと早い段階で救助要請できなかったのか–などを速やかに明らかにしてほしいとの声も上がっています。
あってはならないことですが、「新型コロナで落ち込んだ会社の売り上げ確保のために観光船を運航した」「大騒ぎなるのを避けるために救助要請が遅れた」ということではなかったのでしょうか。
第一管区海上保安本部は、生存者の捜索や救助活動を優先して行う一方、これまでに10人の死亡が確認されたこの事故について、業務上過失往来危険と業務上過失致死を視野に捜査を進める方針だと発表されています。
楽しい旅行先で起きた痛ましい事故。
このようなことが二度と起きないよう原因を明かにして欲しいものです。